
敢えてグレードを高めに設定したことが入居率の高さにつながりました。
横溝好里氏・埼玉県
●横溝好里氏プロフィール/(有)丸国商事 代表取締役。現在所有する物件は貸し店舗、賃貸マンション2棟、アパート2棟、有料老人ホームなど。
同じ悩みを持つからこそ生まれたオーナー同士の絆
「あれは約17年前になるでしょうか。市の生産緑地地区計画のために、我々農家は所有地を農地のまま活かすのか、宅地にするのかの判断を迫られた頃でした。そこで初めて土地活用について考えたわけですが、何しろ相続税の問題や固定資産税の問題などわからないことが山積みで、皆、困惑しきっていました。そんな時、出会ったのが現・全国賃貸住宅経営協会の高橋誠一副会長でした」。高橋氏が中心になり「財産ドック」を設立。土地活用について活発に意見交換をし合うようになったという。「財産ドックも全国賃貸住宅経営協会もそうですが、それまではオーナー同士の会というのはなかった。年に何度もセミナーを行うことで、土地活用についての勉強もできますし、同じ悩みをもったオーナーと話をすることはとても心強いですね。」
入居率100%を保つ秘訣は「入居者はお客様」という気持ちと
「良い管理会社」を選ぶこと
現在、テナント、賃貸マンション、木造アパート、ワンルームマンションなどの賃貸物件を所有している横溝さんだが、すべて入居率が100%という。
その秘訣を伺うと…
「初めに建てたのは6階建て44戸の賃貸マンション。これは『10年経っても古くならないもの』をモットーに分譲なみの施設にしたんです。エアコンを一部屋に2台つけたり、配管設備にもこだわったり。その甲斐あってか、すでに築10年経っていますが、初めから住んでいる人もいるほどです。もちろん家賃は高めだが、設備がしっかりしているし、リフォームにもこだわっているので、自然と信用のおける住人が入居する。最初のグレードを高めに設定したことで、いい循環が生まれていますね。」
同様に木造アパートも火災報知器やオートロックをつけたりと設備の充実を図っている。そんな入居者にとっての付加価値が入居率100%にする秘訣と横溝さんは言う。「最近は入居者の物件への選択眼が厳しくなっている。入居者はお客さん。昔の入れてやるよ思想はもう通じない。」
また、管理や運営などを任せる管理会社とのコミュニケーションも大事と横溝さん。
「オーナー自らが入居審査をすることは、実際忙しすぎて難しいもの。
だからこそ管理会社とのコミュニケーションが大切ですね。担当制がしっかりしている管理会社だと、どんな入居者なのかといった報告をきっちりしてくれますから。また営業と管理部との連携がとれた管理会社であることも大切。
斡旋した人と、管理する人のコミュニケーションがとれていないと、入居者の把握が出来なくなる。すると問題を起こす住人が入居する→物件が荒れる→入居率が下がるといった悪循環に陥ったケースも聞いたことがあります。いい管理会社を選ぶことも重要ですね。」

設備はもちろん、外観にもこだわった、とても木造とは思えない賃貸アパート。今まで一度も空室がでたことはないとか。
高齢化に向けて新しい土地活用
介護保険制度施行を受け、昨年オープンしたのが有料介護施設。
「自宅裏の母屋の敷地を平地にして建設しました。少子高齢化が叫ばれる今、マンションを作っても入居率の問題が大きくなる。建て売りも分譲も頭打ち。これからを考えて決断したのが、介護施設を作ることでした。」
建築説明会にも参加し、この土地に対する想い、将来に向けての考えを語り、そのかいあってか、大きなトラブルなく着工したという。
「入居者はもちろんだが、雰囲気、設備、交通の便など家族の人たちにとって安心できる空間つくりを大切にしてもらいました。現在では6割が入居しています。借り上げで30年契約をし、そういった信頼性も入居者の方に安心感を与えているのかもしれません。後続になにを残すか、これからの土地活用はそのあたりも重要になってくると思います。」

横溝氏が所有する物件のひとつ、有料老人ホーム。大きな窓をとり、開放感あふれる気持ちのいい空間。
家族の人が車で来られるよう、駐車場も広めに設計した。各フロアにはフリースペース、一階にはスポーツ器具など、入居者が気分転換を図れる空間が随所に。















